最近空き巣が増えているということで、住んでいるマンションの自治会で警戒のための夜回りと、パトロール実施中というのぼりの設置を実施した。パトロールは夜回りのように「火の用心」といいながら、拍子木を鳴らしている。幟は黄色い幟である。人が夜回りするのは効果があるだろう。近所は同様にパトロール実施中ののぼりをつけているマンションが多い。
同盟弱体化6(上)
沖縄南東沖にある在日米軍の訓練区域。12月3〜10日の日米共同統合演習「キーンソード(鋭い剣)」期間中、日本側が公表していない訓練が行われた。
訓練水域には米海軍強襲揚陸艦エセックスを中心とした第7遠征打撃群(エスペディショナリー・ストライク・グループ=ESG)が集結した。
「演習目的は島嶼(とうしょ)防衛・奪還作戦での『戦い方』を検証することだった」
防衛省幹部は明かす。むろん中国を念頭に置いた作戦だ。島嶼部を守る上でも、装備を近代化させる中国の海・空軍戦力と対峙する必要があり、演習でもそこに主眼が置かれた。
ESGは通常、上陸部隊の先兵となる海兵隊を運ぶ揚陸艦3隻と護衛する水上艦艇3隻、攻撃型原潜1隻で構成する。2003年に始まった新しい水陸両用作戦の艦隊編成だ。
佐世保基地(長崎県)が母港のエセックスには、同じ佐世保に司令部を置く海上自衛隊の第2護衛隊の隊員13人が連絡調整員として乗り込んでいた。海自は揚陸艦のガード役として同隊の4隻の護衛艦を投入した。日本は訓練の枢要な一角を占めていたのだ。
実弾射撃を含むシナリオが進展するたび、連絡調整員は米側と連携を確認し合った。米海軍幹部は「文字どおり肩を並べて取り組んだ」と満足げな表情を浮かべた。自衛隊幹部も「米海軍はESGの一部に海自を組み込んだ運用を見据えている」と呼応した。
中国軍の太平洋への「玄関口」となる沖縄周辺海域に日米の戦力を結集させることで、米側には「中国抑止」に向け強い意志を内外に示す狙いがあった。だが日本側は中国を刺激するのを避けるため、演習内容の公表を控えたとみられる。
同じころ、大分県の日出生台(ひじゅうだい)演習場では、陸上自衛隊で島嶼防衛を主な任務とする「西部方面普通科連隊」が実動演習を行っていた。防衛省は演習目的を「一般的な防御訓練」と説明した。
本来は島嶼防衛訓練を行う予定だったが、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を受けた10月、防衛省政務三役の次の一声で、演習内容は変更されたのだった。
「中国を刺激するような演習は控えろ」
キーンソードで日米共同対処能力を高め、西方普通科連隊の演習では日本独自でも領土を守る意思と能力を鮮明にする−。透けてみえる当初構想は、日米安保条約改定50周年を迎えた今年の締めくくりにふさわしいものだった。
ゆがんだ政治主導で後者が抜け落ちた。日本自身が領土を守る気構えが求められるが、民主党政権にはその意識が欠落していることを象徴している。
17日に発表された新たな「防衛計画の大綱」は不安定な東アジアの安全保障環境を反映し、「日米同盟は必要不可欠」と位置づけたが、米軍普天間飛行場移設問題、米軍との協力強化などの課題は先送りされた。来年に向けた動きを追った。
「それは本当に必要なのか? なぜ今、やらないといけないんだ」
12月上旬、首相、菅直人が発した一言に外務、防衛両省幹部は思わず宙を見上げた。新たな「防衛計画の大綱」の策定に向け、武器輸出三原則見直しの調整をほぼ終えていたが、菅による土壇場の「政治決断」でひっくり返されたためだ。
防衛相、北沢俊美は折に触れ三原則見直しを訴え、今年10月にはハノイでの米国防長官ロバート・ゲーツに自ら実現を約束した。
世界の趨勢となった戦闘機などの国際共同開発を道を開くには、武器や関連技術の輸出を原則として禁ずる三原則がネックになる。防衛省は見直しを念頭に防衛産業との研究会も発足させたばかりだった。
菅には年明けの通常国会の方が重要だった。衆院再議決に必要な3分の2の議席を確保するため、三原則見直しは社民党との連携の「犠牲になった」(外務省幹部)。菅は6日に社民党党首、福島瑞穂とにこやかに握手を交わしたが、菅が大綱への明記見送りを北沢に指示したのはその翌日だった。
「政局を安定させないと政策も何もあったもんじゃない。あんたが大将なんだから、政局安定のために方針を決めればいい」
北沢は菅にこう伝え、見直し断念を受け入れた。
北沢は省内の会議で「やむを得ない。これが政治だ」と言い渡したが、部屋には沈鬱な空気が漂った。
「大綱に見直しを明記すれば、米国は『日本の優れた技術力を生かす』と日本を評価する文書を発表する段取りだったのに」
政府高官は悔やんだ。
菅は17日に大綱をとりまとめた後、沖縄を訪問した。18日は今年5月の日米共同声明で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とされた名護市辺野古崎地区を空から視察した後、記者会見で「基地問題をしっかりとこの目で見るという目的を実現することができた」と胸を張った。だが、自衛隊のヘリコプターで見下ろすだけのおざなりな視察で何が分かったというのだろうか。
「私自身、沖縄の皆さんとのコミュニケーションを図って全力を尽くす」
菅は11月、アジア太平洋経済協力会議(横浜APEC)のため来日した米大統領、バラク・オバマに普天間問題の解決を目指す決意を示していた。
ただ、「最低でも県外」の公約を破った前首相、鳩山由紀夫が今年5月4日、宜野湾市民との対話集会で「本当に総理か!」と罵声を浴び、約1カ月後に本当に総辞職した教訓をもとに、菅はできるだけ住民との接触を避けた。移設反対の名護市長、稲嶺進との会談も先送りした。
「日本政府は、普天間飛行場の移設が進めば、嘉手納基地以南の土地が返ってくるということをもう少し国民に向かって説明する必要があるのではないか」
米国務次官補代理(東アジア・太平洋担当)のジョセフ・ドノバンは15日午後、国会内で元防衛庁長官の自民党衆院議員、中谷元らにこう苦言を呈した。
米シンクタンク「新米国安全保障センター」も今年10月、普天間問題に関し、「日本政府は米軍基地が所在する地域と継続的な対話を行うべきであり、政治家や官僚も米軍基地の有用性や同盟がもたらす利益について住民との対話やメディアでより体系的に説明する必要がある」と提言した。
菅の行動は完全に逆行している。
「今後もしっかりやっていけますよね」
在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)協議で来日した米政府高官は日本側交渉担当者にこう伝え、民主党政権が再びぶれないようクギを刺した。
11月の首脳会談で、オバマが菅に来春の訪米を要請したのも、期限を切る形で普天間問題の進展を求めたのは明白だ。しかしそれも外相、前原誠司は16日の講演であっさりと否定してしまった。
「できるだけ早く物事を解決することは大事だが、それを首相の(米国)訪問とリンクさせるようなことはしない」
沖縄県知事の仲井真弘多(ひろかず)は17日夜、那覇市内のホテルでの夕食会で菅に「戦没者追悼式には、ぜひ黒いかりゆしウエアを着てきてほしい」と語りかけた。菅周辺は沖縄全戦没者追悼式の6月23日まで政権にいてほしいとのメッセージと受け止めたが、安全保障問題で先送りを続ければ、菅が鳩山と同じ末路を見ないともかぎらない。(敬称略)
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